無停電電源装置(UPS)のAPC「BE425M-JP」とサイバーパワー「CP375JP」を比べてみました
日本の場合、一番雷が多いのは、8月だそうです。そんな時に、サージ電流という物で家電が壊れることがあります。
昨年、残念なことにサージ電流により、LAN経由の機器が多数破損し、深刻な結果となりました。
そんな苦い思いをしたくないので、昨年は下記のような商品を購入しました。
雷で家電が一気に故障!もう壊したくない雷対策電源タップの仕組みって知ってる?
今回は雷が原因では無いのです。
今使っているファイルサーバーなどが、瞬間電圧降下のような物で、数ヶ月に1度シャットダウンしている事が気になりました。
そこまで電圧降下が怒ることは無いと思っていたのですが、何かの不意に起こっており、実際ファイルサーバーから、数ヶ月に1度通知が届きます。
ということで、今回は、出力の比較的弱いお手軽なUPSを2社購入してみましたので、それぞれの違いを確認してみたいと思います。
今回購入した無停電電源装置(UPS)
どちらも255Wという比較的出力の弱い省電力タイプのUPSです。
残念ながらゲームなどができるデスクトップパソコンでは、無理だと思いますが、ルーターやNASなどのファイルサーバー向けでもあります。
購入したメーカー
シュナイダーエレクトリック
もう昔からサーバー用途だけではなく、工場などでも無停電電源装置として使われているAPCブランドをよく見ておりました。
1981年にアメリカで創業した企業でしたが、2006年10月30日にフランスの「シュナイダーエレクトリック」に吸収されており、「シュナイダーエレクトリック」グループのAPCブランドとなっています。
私も実際にサーバールームで稼働させていたサーバーに使い、圧倒的な信頼があります。しかし、高価な物はやっぱり高い。
サイバーパワー
1997年創業のアメリカの企業です。ここ10年くらい日本でも、サイバーパワーのUPSを販売するようになり、APCと同等レベルの製品をライバルとして競合しています。
それぞれのメーカー発表の性能を確認
残念ながら今回のAPCとサイバーパワーともに、バッテリー駆動時は、矩形波という実際の交流電流に近い波形ではなく。角々した電力供給になります。
実際問題パソコンでも稼働しますが、精密な作業やグラボなどを動かす緻密な計算をする時には、ちょっとしたノイズが生まれご動作になる可能性があります。今回はあくまでもルーター用・ファイルサーバー用なので、そこまで大丈夫だと思います。
BE425M-JP(APC) | CP375JP(サイバーパワー) | |
寸法 | 14.02 cm×25.3 cm×10.5 cm | 18.0cm x 11.0cm x 8.2cm |
重量 | 2.95 kg | 1.67kg |
定格電力 (W) | 255 W | 255W |
定格電力 (VA) | 425 VA | 375VA |
バッテリー動作時の波形 | 矩形波 | 矩形波 |
保証 | 3年 | 3年 |
左側の大きいのがAPCのBE425M-JPです。右側の小さいのはサイバーパワーのCP375JPです。
ということで、APCの方がUPSとしての性能は高いみたいです。その分重たくて大きなイメージ。
価格は同じくらいです。
定格電力 (VA)の差が意味するのは、425 VAのUPSの方が高い電力因数を持っている可能性があります。
これは、同じ電力(W)を供給しながらも、425 VAのUPSの方が電力をより効率的に使用できることを意味します。特に大量の電力を消費する電子機器を使用する場合や、電力供給が不安定な環境で有利になる可能性があります。
それぞれの外見的違いを確認
APCのBE425M-JP
実際にUPSを見ると、だいぶ大きな感じです。
本当はもっと大出力のAPCのUPSを持っていたので、小さく見えますが、ライバルのサイバーパワーと比べると大きいです。食パン専用のトースターみたいなイメージですね。
使う前は、こちらの通りバッテリーのコネクタが抜かれているので、差し込む事が求められています。
それだけ直前までバッテリーの消化を抑えたい、APCブランドのUPSではいつもの機能です。
ちょっと硬いのですが、バッテリーコネクタをしっかり奥まで差し込みます。
- バッテリーバックアップ+サージ保護付きコンセントは4つ
- サージ保護付きコンセントは2つ
なお、コンセントの間隔もしっかり空いています。小さい目のACアダプタであれば、隣同士接触しません。
さすが長年のブランドですね。
サイバーパワーのCP375JP
- バッテリーバックアップ+サージ保護付きコンセントは3つ
- サージ保護付きコンセントは3つ
APCブランドより1つ足りなく。
バッテリーバックアップ+サージ保護付きコンセントは3つです。
でも、よく見ると分かるのですが、コンセントカバーがついています。
使っていない所では良い利点ですね。
BE425M-JP(APC) | CP375JP(サイバーパワー) | |
停電時保護コンセント | 4口 | 3口 |
停電時保護無しコンセント | 2口 | 3口 |
コンセントカバー | 無し | あり |
停電時のBEEP音 | 無し | あり |
それぞれのUPSの加熱・騒音具合を確認
測定をしたのは2023年7月22日!とても暑い日です。
机の温度は28.7度を示していました。
それぞれのUPSを8時間以上充電させており、すでに両社ともに100%に充電されています。
温度はそれぞれ変わらずでした!
ただし、実際に触ってみると、温かいエリアや範囲に大きな違いがありました。
給電をストップし、バッテリー稼働時の騒音測定をしてみました。
BE425M-JP(APC) | CP375JP(サイバーパワー) | |
28度での一番熱い所測定 | 41.4度 | 41.4度 |
一番熱い所 | スイッチ下部の2cm×2cmくらいの範囲 | シールが貼ってある10cm×8cm範囲 |
バッテリー稼働時の騒音 (周辺48デシベル) | ほぼ無音(48デシベル) | 54.3デシベル |
サイバーパワーの方はバッテリー稼働時には、少し騒音がします。
例のインバーターのジ~~ンという独特の音ですね。
消費電力の確認と過電力で消費してみました
あくまでも家庭用です。
- 電力
- 電圧
- 電流
がわかる測定機でそれぞれ測定してみました。
無負荷100%充電のときの消費電力
BE425M-JP(APC) | CP375JP(サイバーパワー) | |
電流(mA) | 79mA | 52mA |
電力 (W) | 3.5W | 3.8W |
測定時の提供 電圧(V) | 100.9V | 100.2V |
皮相電力(VA) | 7.9711VA | 5.2104VA |
効率(%) | 43.9% | 72.9% |
残念ながらUPSを稼働させる為に、消費電力が発生します。
また、熱を発生させているので、それなりに無駄に消えている電力もあります。全く何も接続していない時の効率は、通常はあまり意味がありません。これは、そのような状態ではUPSが実際に電力を供給する必要がないため、その効率は実際の運用状況を反映していない可能性があるからです。
560Wのドライヤーを動かしてみた
255WまでというUPSにて2倍近い電力を消費するドライヤーを接続し使ってみました。
BE425M-JP(APC) | CP375JP(サイバーパワー) | |
電流(mA) | 6149mA | 6230mA |
電力 (W) | 565.3W | 576.1W |
測定時の提供 電圧(V) | 100.6V | 101.6V |
皮相電力(VA) | 618.394VA | 633.168VA |
効率(%) | 91.4% | 91.0% |
過電力の警告 | 無し | BEEP音 |
効率という面では、ほぼ違いはなさそうです。
でも、ついついやってしまいがちな過電力状態になった時、APCブランドのBE425M-JPは何も教えてくれませんが
サイバーパワーのCP375JPはすぐにBEEP音が鳴り、警告してくれました。
まとめ
今回のUSPは保証として3年くらい使える事が示されているUPSです。でも、メーカーの仕様ページには、3年としかかかれていませんが、商品購入ページには、何故か3~5年と書かれています。
USPは定額電力を超えて使うと、寿命が短くなりますが、逆に余り使っていない時は、5年くらいの期待を混めてなのかもしれません。
サイバーパワーの「CP375JP」は、停電時のBEEP音や電力の使いすぎ時のBEEP音があります。
そのため、幅広い人に向けた製品となっています。APCブランドの「BE425M-JP」はBEEP音がない代わりに、コンセントが4箇所対応していたり、発熱が少ないという特徴があり、玄人向けの需要に応えています。