【実機レビュー】激安Android版AirTag「RSHスマートGPSトラッカー」は本当に使える?離島で荷物と人を追跡してみた
これまで日本では忘れ物防止タグといえば、Appleの「AirTag」が主流でした。でも、Androidユーザーにとっては代わりに「Tile」が頼れる存在でしたよね。
そんな中、ついにGoogleも「デバイスを探す」ネットワークをアップデートし、対応するスマートタグの利用が本格的に始まりました。2024年夏現在、日本でも順次サービスが拡大しており、AirTagと同じように他人のAndroidスマートフォンを介して忘れ物を探せるようになっています。
AirTagが世界中の数億台のiPhoneで探せるように、Googleの「デバイスを探す」ネットワークは、世界中の数十億台のAndroidデバイスが検知網になるのが最大の強みです。理論上、これまで以上に忘れ物が見つかりやすくなる可能性があります。
忘れ物タグが見つかる仕組み
これらのタグはGPSを内蔵していません。自身のBluetooth電波を周囲のスマートフォンに拾ってもらい、そのスマートフォンの位置情報を借りて現在地を知らせます。
- Tile: 周囲の「Tileアプリ」を入れたスマホが検知
- Googleタグ: 周囲の「ほぼ全てのAndroidスマホ」が検知
- AirTag: 周囲の「iPhoneやiPad」が検知
そのため、周囲に検知してくれるスマホが少ない場所では、位置情報が更新されにくくなります。
今回の目的
この夏、家族が西日本の離島へ里帰りすることになりました。
- 事前に送る荷物に「Tile」と「Google Find My Device」対応タグを入れ、実際に位置がわかるか検証。
- 移動中の家族にも「Tile」と「Google Find My Device」対応タグを持ってもらい、人の追跡も可能か試す。
1つ目の検証は荷物の紛失時に役立つかを確認。2つ目は、子どもなどに持たせた場合、万が一の時に位置を特定できるのかを試します。
使った忘れ物タグ

荷物に貼ったラベル
忘れ物タグを捜索モードにすると、周囲のAndroid端末に通知されるため、宅配業者の方が驚かないよう案内ラベルを作成して貼りました。
この荷物には、忘れ物防止タグ(TileまたはGoogle対応タグ)を入れています。
配送状況の検証・記録目的で使用しており、盗聴や位置情報の不正取得目的ではありません。
※配送会社様は通常通りお取り扱いください。
【連絡先】〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
検証1:荷物に入れてみた
まずは宅配便で送る荷物にタグを入れて、どこまで追跡できるかを試しました。
集荷から1時間後に捜索モードをオンにして、位置情報の反応を確認します。
財布や旅行バッグをなくした時の参考にもなる検証です。
結果は次の通りです。
日付 | 時刻 | Tileの反応 | Googleの反応 |
---|---|---|---|
1日目 | 17:00ごろ | ||
1日目 | 18:00 | 紛失モード開始 | 紛失モード開始 |
1日目 | 18:29 | センター近くで検知 | 位置特定通知(宅急便センター) |
1日目 | 21:30 | 県のヤマトベース店 | 県のヤマトベース店 |
2日目 | 8:40 | 九州のヤマトベース店 | 九州のヤマトベース店 |
2日目 | 12:00 | 位置特定通知(長崎ベース) | 長崎ベース |
2日目 | 20:45 | 長崎ベースで再反応 | 長崎ベースで再反応 |
3日目 | 夜 | 反応なし | 反応なし |
Googleのタグは集荷直後から早い段階で位置特定できました。Tileも検知自体はしていたものの、通知が来たのは2日目の昼でした。
ほとんどの反応はヤマト運輸のベース店で検知されたものです。ただし、長崎ベースを出て船便に乗ってからは反応がなく、人口の少ない離島では特定が難しいことも分かりました。
GPS非搭載のタグには、どうしてもカバーできない範囲があります。
検証2:人を追跡してみた
次に、タグを持った家族が実際に離島へ向かう移動中に追跡できるか試しました。
常にスマホを持っている人を対象に、TileとGoogle Find My Deviceの両方を使用します。
この検証は、万が一誘拐された場合に位置を特定できるかどうかの実験でもあります。もちろん本人の了承を得ています。


移動開始から数時間は捜索モードを使わずに様子を見ました。
結果、Google・Tileともに大まかな位置を把握できました。犯人がAndroid端末を持っていればGoogleで、Tileアプリを入れていればTileでより正確な位置が分かる可能性があります。
捜索モードに切り替え
ただし、捜索モードにすると相手の画面に通知が出る場合があります。
「探されている」ことがバレてしまうリスクもあるため、使い方には注意が必要です。

紛失としてマークしました。
【驚きの発見】このAndroidタグ、なんとiPhoneでも探せる!?

「RSHスマートGPSトラッカー(Androidタグ)」を捜索モードにしたところ、家族のAndroid端末に「探されています」という通知が表示されました。
事前に知らせていたとはいえ、いきなり画面に出てくると驚きますね。
通知から詳細画面を開き、「通知する!」を選ぶと、より正確な位置が送信されます。
つまり、第三者が協力しないとGoogleやRSHスマートGPSトラッカーではピンポイントの位置までは届きにくい、ということです。

さらに意外だったのは、娘が持っていたiPadにも24時間ほど経過してから「近くに探されているタグがあります」という通知が届いたこと。
これはAirTagの仕組みと同じ動きですが、製品説明には書かれていなかったため驚きました。
この結果から、今回購入した「RSHスマートGPSトラッカー」は、Googleの「デバイスを探す」ネットワークだけでなく、Appleの「探す」ネットワークにも両対応した、いわば「ハイブリッド型」のタグである可能性が非常に高いです。
製品説明には書かれていませんでしたが、これは大きなメリットです。つまり、持ち主がAndroidユーザーでも、近くを通りかかったのがiPhoneユーザーであれば、忘れ物が見つかる可能性が格段に高まるのです。
まとめ
今回の検証で分かったのは以下の通りです。
- Google Find My Deviceは集荷直後から反応が早い
- Tileは通知は遅めだが、検知自体はしている
- 人口の少ない地域や離島では両者とも検知が難しい
- 捜索モードは相手に通知されるため、使い方には注意が必要
- RSHスマートGPSトラッカーはAppleのAirTagネットワークにも対応
忘れ物タグは万能ではありませんが、条件がそろえばかなり有効な追跡ツールになります。
旅行や子どもの安全対策など、使いどころを考えて活用していきたいですね。
AIによるこの記事の解説
- ポイント1: Googleが「デバイスを探す」ネットワークを拡張し、数十億台のAndroid端末で忘れ物タグ検知が可能に。現地検証でAirTagやTileとの比較も実施。
- ポイント2: 荷物追跡ではGoogleタグの反応が早く、Tileはやや遅延。人口が少ない離島では両者とも検知が難しいことが判明。
- ポイント3: 実験でRSHスマートGPSトラッカーがApple「探す」ネットワークにも反応するハイブリッド型である可能性を発見。
よくある質問(FAQ)
- Q. GoogleタグとTileの反応速度に違いはありますか?
- A. Googleタグは集荷直後から反応が早く、Tileは通知がやや遅れます。
- Q. 離島や人口の少ない地域でも忘れ物タグは使えますか?
- A. 検知端末が少ないため、位置特定が難しくなります。
- Q. RSHスマートGPSトラッカーはiPhoneでも探せますか?
- A. 実験でAppleの「探す」ネットワークにも反応することが確認されました。
- Q. 捜索モードを使うと相手に通知されますか?
- A. はい、相手の画面に「探されています」と表示される場合があります。
- Q. 荷物にタグを入れる際の注意点はありますか?
- A. 配送業者に誤解されないよう案内ラベルを貼ると安心です。